高齢者の運動療法を考える

加齢に伴う退行変性の1つとして骨格筋の萎縮と筋力の低下は、よく知られていて、一般に加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)と呼ばれています。

定期的にトレーニングを行っていない成人では30~40歳にかけて年間200g、50歳以上では年間400g以上の筋量の減少がみられます。

こうした筋量の減少が身体活動量の低下をよび、そして身体活動量の低下がさらなる筋量の減少につながります。

また、骨格筋は代謝器官でもあるため、骨格筋の萎縮は消費カロリーを減少させ、脂肪の蓄積が増加する傾向にあります。

その結果、高齢者の循環器の疾患や糖尿病、メタボリックシンドロームの要因となると考えられます。

さらに、大きな毛細血管をもち含有血液量が豊富な骨格筋の萎縮は、毛細血管を減少させ、循環血液量の低下から心不全につながる可能性があります。

骨格筋の萎縮は加齢によるものだけではなく、無重力環境、長期の入院、ギプス固定などの不動化によっても生じます。

そもそもサルコペニアとは、筋量、筋力、パフォーマンスの3要素がすべて低下している状態をいいます。

治療法としては、運動療法、栄養療法、薬物療法などがあり、レジスタンストレーニングなどの運動療法に関してはより効果的な運動療法とされている一方で、サルコペニアによる骨格筋の萎縮や治療による再成長など骨格筋の可塑性の評価が必要になってきます。

サルコペニアは、加齢性の骨格筋量と機能の低下が一般的ですが、サルコペニアが生じることで起こる活動量の低下、疾病、栄養に関連した二次的な症状も考慮する必要があります。

動ける身体を作り直す

フィジオ福岡のパーソナルトレーニングはカラダの「評価」に基づいた問題解決型のパーソナルトレーニングになります。そのため、カウンセリングとともにSOAPを重視したカラダのチェックを行い、問題点を抽出、その改善を含めたトレーニングをご提案いたします。

内容としては正しいからだの使い方をトレーニングするコレクティブエクササイズ、機能改善を中心にしたファンクショナルトレーニング、筋機能の改善・強化を目的としたストレングストレーニングを行い、健康増進、ダイエットなどを目的としたトレーニングから、ジュニアアスリートのトレーニング指導、あるいはスポーツ選手のトレーニング指導のような専門的な指導から、膝や股関節などの手術後のリハビリのフォローや痛みやしびれなど、カラダの主訴に対してのリハビリテーションまで、様々なお客様のサポートを行っています。

適切な姿勢できれいな呼吸はできていますか?

姿勢・呼吸評価といっても猫背や反り腰といった簡単な評価ではなく、今現在のお客様の状態やその背景を考え、皮膚や関節動態、どういう動き方をしているから今の状態になっているのかを紐解き、その姿勢を改善するエクササイズとダイエットエクササイズを同時に行うことで、健康的に姿勢を矯正いたします。

身体アライメントが崩れた状態で運動しても、身体アライメントは崩れたままです。適切なアライメント、適切な姿勢は呼吸を変化させ、適切な呼吸もまた正しい姿勢へと導くものになります。
トレーニングを始める前に姿勢・呼吸を改めて見ることから始めませんか?

適切な動作の習得を目指す。

コレクティブエクササイズは、1回のセッションで可動性や安定性、動作パターンの質に神経生理学的な正の反応を生じさせることを目的とします。これは構造的な変化やパフォーマンスではなく、筋のトーンや長さ、張力を正常化し、自由度の高い動作を獲得するためです。安定性、固有感覚、タイミングやモーターコントロールがその基盤となっていて、基本的かつ機能的な動作における制限や非対称性を正常化させることをゴールに置いています。そして最終的な目標は、動作のスクリーニングやアセスメントでの問題を正常化することにあり、適切な機能を得ることができているかどうかがポイントになります。

コレクティブエクササイズは柔軟かつダイナミックな動作で行われます。まず可動性、可動性が改善したら、その可動性を上手に使うように静的安定性のドリルを行い、静的安定性のドリルが対称的にうまくできるようになった場合は、より動的なエクササイズを行うように進めていきます。
レベルが上っていく中でもその動作が適切に行えているかを評価していくのがこのエクササイズの大きな目的となります。

筋力を鍛え、パワー発揮を高めるということ。

ストレングストレーニングを通じて基礎筋力や筋量を養い、パワーを向上させることは、『長期的な中で起こるパフォーマンスにおける適応』を目指していくものであり、それはコレクティブ・エクササイズのようにモビリティやスタビリティワークが中心になるトレーニングとは大きく異なったものになっていきます。

筋力や筋量、またパワーを向上させるには、一般的にはトレーニングの原理原則に従い、適切な負荷を毎回のセッションでしっかりとかけて、長期的な展望の中で漸進させる必要があります。このあたりがカラダを鍛えるトレーニングが長期的な継続によってのみ効果を発揮していくということになるのかもしれません。

ところで、筋力や筋量、そしてパワーが高まれば、大きく力強い、パワフルな力発揮が可能となりますが、その力発揮が、身体がスムーズに動く状態の中で不具合や代償動作なく、機能的に動く状態の中で、しかも安定感のあるかたちの中でなされなければ、障害を誘発するようなものになってしまう可能性すらあります。だからこそストレングストレーニングと並行したコレクティブ・エクササイズが求められるのです。

フィジオ福岡では、コレクティブ・エクササイズもストレングス・トレーニングも、どちらも大切なものであると認識していて、いずれか一方が欠けてもパフォーマンスの向上や障害の軽減にはつながってこないと考えています。
この両者をバランスよく使い分け、なおかつ両者の中に1つのつながりを持たせる工夫を凝らし、質の高いパーソナルトレーニングを展開し、安全に効果的に効率よくパフォーマンスの向上、障害の軽減をもたらしていけるよう、フィジオ福岡のパーソナルトレーニングは設計されています。

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